羽田秀吉とは、『名探偵コナン』に登場するキャラクターです。

七冠を目指す28歳のプロ棋士で、警視庁交通課の婦警・宮本由美(みやもとゆみ)の元交際相手。
羽田秀吉は、戦国武将・豊臣秀吉(とよとみひでよし)の別名である羽柴秀吉(はしばひでよし)に名前が似ているため、マスコミや彼のファンからは「太閤名人」と呼ばれ親しまれています。

羽田秀吉はシャトー米花マンションの18階に住んでおり、普段は丸眼鏡に寝癖のついた髪、無精髭など、美男子でありながらも自身の身なりには無頓着なところがあります。しかし、対局時には身なりを整え、着物を着こなした別人のような外見となるため、老若男女問わずたくさんのファンがいます。

棋士をしているだけあって頭脳明晰で、数字を一瞬で覚えるのが得意な羽田秀吉。知識量などを除けば本作の主人公・江戸川コナン(えどがわコナン)と同等のレベルと言われるほどの推理力を持っています。

名前の由来は前述の羽柴秀吉。キャラクターの設定や外見のモデルとなったのは、日本の将棋棋士である羽生善治(はぶよしはる)さんだと言われています。

羽田秀吉の声優を担当しているのは、森川智之(もりかわとしゆき)さんです。

声優事務所・アクセルワンの代表取締役で、羽田秀吉役のほかにも『戦国BASARA』の片倉小十郎(かたくらこじゅうろう)役や『遊☆戯☆王』の城之内克也(じょうのうちかつや)役、『鬼滅の刃』の産屋敷耀哉(うぶやしきかがや)役など、多くの人気キャラクターを演じています。

落ち着いた大人役から高い声音のコミカルな役まで幅広く演じる森川智之さんによって、羽田秀吉というキャラクターの魅力がより引き出されています。

羽田秀吉の初登場は、原作『名探偵コナン』の第80巻です。

File.8「7つ揃うまで」からFile.10「太閤の手筋」にかけて登場。
シャトー米花マンションの隣室・1802号室で殺人事件が起こり、元交際相手である由美に棋士であることを隠したいがためにアリバイを言わないなどの不審な行動をとります。最終的にはコナンと協力し、羽田秀吉は自身が棋士であることも明かしました。

以降、第85巻のFile.6「封じ手」からFile.9「妙手」、第89巻のFile.8「意地悪なおじいさん」からFile.10「座右の銘」などに登場し、羽田秀吉はコナンとともに事件を解決する様子や、元交際相手であった由美との関係を修復させていく様子が描かれています。

実は羽田秀吉は、第49巻のFile.6「秘密の通学路①」にて存在が仄めかされており、長い時間を空けての本人登場となりました。

羽田秀吉の家族は、日本人の父である赤井務武(あかいつとむ)、イギリス人の母であるメアリー・世良 (メアリー・せら)。FBI捜査官をしている兄の赤井秀一(あかいしゅういち)、女子高生探偵をしている妹の世良真純(せらますみ)、義兄の羽田浩司(はねだこうじ)の5名です。

羽田秀吉は赤井家の次男で、17年前までは「赤井」を名乗っていました。
家族とともに来日した後は「世良」を名乗っていましたが、父・務武の消息不明をきっかけに卒業後は羽田家の養子となり、現在の羽田秀吉という名前になりました。

義兄・浩司は、作中に登場する犯罪組織こと「黒の組織」が開発していた毒薬の被験者リストに名前が記載され、死亡していることが判明。羽田秀吉は浩司のことを尊敬しており、秀吉の座右の銘「初志貫徹」は浩司から引き継いだものだとされています。

なお、旧姓の「赤井」は『機動戦士ガンダム』に登場するシャア・アズナブルの異名「赤い彗星」が由来となっており、「世良」はシャアの妹であるセイラ・マスが由来となっています。

赤井家は「黒の組織」と何かしらの関係があるとされているため、羽田秀吉も今後の展開で物語の中心に関わってくることがあるかもしれませんね。

羽田秀吉は独身であり、現在も元交際相手である宮本由美へ想いを寄せています。

大学時代に交際していた2人でしたが、由美から「警官になるから」と別れを告げられます。
七冠を達成したらプロポーズをしようと思っていた秀吉は、別れを切り出した由美に封筒を渡し、7つ揃ったら連絡をするから待ってほしいと頼むものの、その後連絡のない秀吉に由美は愛想を尽かし、渡されていた封筒も紛失。秀吉はいまだに交際継続中と思い込んでいましたが、ここで一度2人の関係は終了しています。

しかし、シャトー米花マンションで起きた殺人事件での再会以降、とある事件後に由美から秀吉へご利益と称してキスを送り、秀吉が自身の落ち度で一度手にした王将の座を失ってしまった際には「天下を取ったら話を聞くから誰にも負けるな」と叱咤激励をするなど、いまだお互いを想い合っている様子を見ることができます。

プロポーズが成功して由美と結婚するのか、秀吉が再び王将の座を取り戻す日が待ち遠しいですね。