現在、社会現象を巻き起こすほどの一大ブームとなっている作品が『鬼滅の刃』です。

集英社が発行している『週刊少年ジャンプ』にて漫画が連載されており、アニメ放送後はさらに人気が加速してコミックの売り上げが激増しました。

ストーリーは大正時代を舞台に描かれています。
主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう)は家族で慎ましく暮らしている少年でしたが、ある日町から帰ると、家族は鬼に襲われて血だまりの中で亡くなっていました。

唯一、妹の竈門禰豆子(かまどねづこ)だけは怪我を負いながらも生き残っており、竈門炭治郎は雪の中を妹を背負って逃げ出しました。
しかし、途中で竈門禰豆子は唸り声をあげて竈門炭治郎に襲い掛かります。

実は、竈門禰豆子は「鬼」と化してしまっていたのです。
大切な妹を人間に戻すべく、人間に戻す方法を求めて竈門炭治郎は戦うことを決意するのです……。

同作は当初、『週刊少年ジャンプ』の作品としては「暗くて重いストーリー」だと言われていました。
しかし、兄妹愛や絵の綺麗さ、シリアスとコメディの均整が取れていることから、徐々にファンを増やしています。

続いては、アニメ化に伴って代表的なキャラクターを演じている豪華声優についてご紹介します！

『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎役を演じているのは、今を時めく人気声優の花江夏樹(はなえなつき)さんです。

花江夏樹さんはテレビアニメ『桜蘭高校ホスト部』を視聴したことがきっかけで声優を志し、養成所には通わずに声優事務所・アクロスエンタテインメントの公式サイトにボイスサンプルと声優になりたい旨を綴った文章を送ったツワモノです。

2019年には「アニメアワード2018 - 2019」において男性声優賞を受賞し、花江夏樹さんが演じた竈門炭治郎も男性キャラクター賞を受賞しました。また、同年開催の第14回声優アワードでも主演男優賞を受賞しています。

竈門炭治郎は家族思いな少年で、性格は少々生真面目すぎるところがあり、それゆえにズレた言動をすることもあるキャラです。
戦闘の場面でも優れた直感と柔軟な思考で戦うことができるものの、優しいが為に鬼に対しても非常になりきれない一面もあります。

『鬼滅の刃』のヒロインにして、主人公・竈門炭治郎の妹である竈門禰豆子を演じているのが声優の鬼頭明里(きとうあかり)さんです。

鬼頭明里さんは高校を卒業後に愛知県から上京し、現在最も注目されている女性声優の一人として活躍しています。
イラストがとても上手であることも有名で、時折ネット上に作品を公表することもあります。

竈門禰豆子は兄の不在時に鬼に襲われ、その血が傷口から混入したことで鬼化するキャラクターです。
人間だった頃は兄と同じく家族思いの優しい性格であり、兄と旅をする中に徐々に表情豊かになってきています。

『鬼滅の刃』において、竈門炭治郎の同期にあたる鬼殺隊剣士・我妻善逸(あがつまぜんいつ)を演じている声優が下野紘(しものひろ)さんです。

下野紘さんは唐揚げが好物であり、2012年より日本唐揚協会主催の「からあげグランプリ」にて6年連続で「ベストカラアゲニスト」を受賞した経歴を持つ声優です。

我妻善逸は鬼殺隊剣士でありながら非常に臆病なキャラクターであり、ネガティブな上に利己的な一面が強い少年です。
女性に対して強い執着を見せる一方で騙されやすいところがあり、過去には借金苦に陥ったこともある不遇さです。

嘴平伊之助(はしびらいのすけ)は『鬼滅の刃』の中でも上質な筋肉を持つキャラクターで、声優は松岡禎丞(まつおかよしつぐ)さんが担当しています。

松岡禎丞さんはとても繊細な演技をすることで知られており、同業者からも「不思議な響き方をするナレーションが魅力的」と言われるほどの才能の持ち主です。

演じている嘴平伊之助は猪の被り物がトレードマークであり、元々は猪に育てられた捨て子でした。
非常に好戦的な性格で、高笑いをしながら「猪突猛進、猪突猛進」と叫ぶシーンは圧巻です。

「全部どうでもいいから自分で決められないの」と切なく語るのは、幼少期より両親から虐待を受けて育った栗花落カナヲ(つゆりかなを)です。

『鬼滅の刃』の中でも無口でミステリアスな雰囲気に包まれたキャラクターで、声優は上田麗奈(うえだれいな)さんが務めています。

上田麗奈さんは2011年に「第5回81オーディション」で準グランプリを受賞後、声優やアーティストとして活動しています。

演じている栗花落カナヲは親から売られてしまい、人買いに連れられているところをある姉妹に引き取られました。
以後、その姉妹を「自分の肉親」と断言するほど慕っており、態度や言葉ではそれほど表現しないものの、とても感謝しています。

竈門炭治郎を鬼殺隊に導いた冨岡義勇役は、人気声優の櫻井孝宏(さくらいたかひろ)さんです。

櫻井孝宏さんは高い演技力と綺麗なテノールの声が特徴的であり、キャラクターの心理描写に固執した役作りが評価されています。

冨岡義勇は鬼殺隊の主軸となる「柱」の一人で、どこか冷めた雰囲気を漂わせている『鬼滅の刃』のキーマンです。
無表情で口下手なこともあって誤解されやすく、「みんなから嫌われている」とまで言われる始末ですが、実際は情に厚く優しい性格です。

「鬼を殺せる毒」を作り出した胡蝶しのぶは、『鬼滅の刃』の中でも小柄なキャラクターです。

演じている声優の早見沙織(はやみさおり)さんは透明感のある声が特徴で、精霊や人魚、妖精といった神秘的なキャラクターを担当することが多くあります。

胡蝶しのぶもある意味では神秘的であり、最愛の姉である胡蝶カナエと共に鬼殺隊士となりました。
姉が惨殺されてからも、好きだと言ってくれた笑顔を絶やさずに頑張ろうと思う反面、どうしようもできないほど鬼を憎む気持ちにも苛まれています。

煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)は、「炎」の呼吸を使用する「炎柱」のキャラクターです。

煉獄杏寿郎役の声優である日野聡(ひのさとし)さんは、自身が関わる作品は原作を読み込んでから演じるタイプの声優であり、かつてはアニメではなく吹き替えを中心に活躍していました。

煉獄杏寿郎は歴代「炎柱」を輩出している名家・煉獄家の出身です。
『鬼滅の刃』の「無間列車」での戦いにおいて、ラストは涙無くしては観られないほどグッとくるシーンとなっており、『鬼滅の刃』のストーリーの中でもとりわけ名シーンです。

『鬼滅の刃』のキャラクターの中でも、特に印象的なルックスをしているのが甘露寺蜜璃(かんろじみつり)です。

演じている人気声優の花澤香菜(はなざわかな)さんは透き通るようなハキハキした声が印象的な声優であり、演技・歌・ナレーション・ラジオなど幅広く活躍しています。

甘露寺蜜璃は「恋」の呼吸を使用する「恋柱」で、社交的で心優しく、無視されると泣きじゃくるほど繊細な性格の持ち主です。
『鬼滅の刃』のキャラクターの髪色を模した”鬼滅カラー”では、最も派手な色味が出せます。

「風」の呼吸を使用する「風柱」である不死川実弥(しなずがわさねみ)役は、声優の関智一(せきともかず)さんが演じています。

関智一さんは、2017年にテレビ朝日で放送された『人気声優200人が本気で選んだ!声優総選挙!3時間SP』で第5位にランクインするほどの実力とキャリアを兼ね備えた声優です。

演じた不死川実弥は身体中に痛々しい傷痕のあるキャラクターで、鬼化した母に兄弟を殺され、唯一残った弟を守るために母と戦い続け、殺害した過去を持っています。

『鬼滅の刃』の登場人物は壮絶な過去を持ったキャラクターばかりですが、不死川実弥が弟から「人殺し」と罵倒されるシーンは特に胸が痛みます。

「岩」の呼吸を使用する「岩柱」悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)役は、クールな低音ボイスが特徴的な声優・杉田智和(すぎたともかず)さんが演じています。

杉田智和さんは学生時代から声優業と学業を両立しており、アニメでも主要なキャラクターを多く担当しています。

悲鳴嶼行冥は柱の中では最年長のまとめ役で、『鬼滅の刃』の中でもリーダー格の盲目の大男です。
複数の者らから「鬼殺隊最強」と呼ばれ、不死川実弥の弟である不死川玄弥(しなずがわげんや)も弟子として彼の側にいました。

『鬼滅の刃』において、鬼達の絶対的支配者である鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)役を担当しているのは、関俊彦(せきとしひこ)さんです。

関俊彦さんは声優のみならず多数の舞台出演の経験がある、優しい声の持ち主です。

鬼舞辻無惨は竈門炭治郎の家族を殺し、竈門禰豆子を鬼にしてしまった張本人でもあります。
普段は人間のふりをして生活していますが、鬼たちの間では恐れられており、不死身の鬼を殺すことができる人物です。

性格は冷酷非情で、粗暴な言動や暴力を振るうことも多々あります。