舞台で使われる様々な専門用語。
初めて聞くと、どういう意味?と驚いてしまうこともありますよね。
出演者やスタッフはもちろん、舞台用語はファンの間でも当然のように使われています。そのため、基本的な舞台用語を知らないと恥をかいてしまう……ということも。
ぜひこの機会に、舞台用語をおさらいしておきましょう。
ファンなら知っておきたい舞台用語まとめ。使うシーン別にチェック!

舞台には専門用語が色々とありますよね。舞台用語のいくつかは、ファンも日常的に使っているので舞台用語を知らないと会話が上手くできない……ということも。そこで今回は、最低限知っておきたい舞台用語をピックアップしました。シーン別にまとめたので、ぜひチェックしてくださいね。
【目次】
舞台用語を知りたい!

シーン別によく使われる舞台用語をチェック!
<シーン別>よく使われる舞台用語【1】稽古場で使われる用語

稽古中によく使われる用語を見ていきましょう。
■顔合わせ・顔寄せ
顔合わせとは、普段共演しない出演者や演出家が共演すること。また、その関係者が全員集まる初めての会合のこと。顔寄せとも言います。宝塚の場合は「集合日」と言いますね。
■本読み
本読みは、台本を読むこと。読むと言っても一人で読むのではなく、役になりきってキャストがセリフを読んでいきます。多くの舞台は、顔合わせの時に本読みが行われます。
■立ち稽古
立ち稽古とは、実際に動きをつけながら稽古すること。
■ダメ出し
出演者やスタッフのできていないところを注意すること。稽古途中や最後に演出家からダメ出しされることが多いです。
<シーン別>よく使われる舞台用語【2】舞台稽古で使われる用語

本番前は実際に舞台で稽古を行います。ここでは、舞台稽古でよく使われる用語を見ていきましょう。
■場当たり
舞台では俳優の立つ位置はもちろん、小道具や大道具の位置も全て決まっています。その場所をひとつひとつ確認する稽古が場当たりと呼ばれています。ダンスなどの舞台でフォーメーションなどを確認するのも場当たり。
■ばみる
蓄光テープなどを使って立ち位置などの目印をつけること。「そこ、ばみっといて(印をつけといて)」などと使います。場当たりの時に行われることが多いですよ。
■通し稽古
その名の通り、舞台を最初から最後まで止めずに通して稽古すること。
■ゲネプロ
ゲネプロとは、ドイツ語のゲネラールプローベの略。音楽や照明はもちろん、メイクや衣装なども本番同様に装着して行う通し稽古のことです。舞台の初日前には必ずゲネプロを行います。
■わらう
わらうとは片付けるという意味。「その小道具わらっといて」などと急に言われても、焦らないようにしましょう。
<シーン別>よく使われる舞台用語【3】演出に使われる舞台用語

演出に関係する舞台用語もたくさんありますよ。
■暗転
舞台の照明を消して真っ暗な中で場面転換すること。暗転している間に、出演者やセットを入れ替えます。
■明転
舞台の照明をつけて明るくすること。本来は明るい舞台上で場面転換をする、という意味ですが、暗転後、次のシーンへの準備ができた状態で明るくなること明転と呼ぶこともあります。
■板付き
幕が上がった時に、出演者がすでに舞台の上に立っている状態のこと。「そのシーンのスタンバイは板付きでお願いします」などと使われます。
■客降り
客降りとは、キャストが客席に降りていく演出のこと。客席降りとも言うこともありますよ。
<シーン別>よく使われる舞台用語【4】舞台の位置や構造にまつわる用語

舞台の位置や舞台機構の用語はファンの間でも使うことが多いので要チェックです。
■上手・下手
上手と下手は、舞台の位置を表す言葉です。
客席から見て右側が上手、左側が下手。間違うと話がややこしくなってしまうので注意しましょう。
■へそ
へそとは、舞台の真ん中のこと。大抵、×マークなどの印が貼られています。
■0番
宝塚の場合、舞台の中央位置のことは0番と呼びます。基本的にはどの舞台も立ち位置を覚えるために、中央が0番、それぞれ上手下手に1番2番3番……と番号が振られています。「上手3番位に立ってたダンサーさんが素敵だった」などと使うこともあります。
■セリ
セリは、舞台の床を一部切り抜き、その部分だけ昇降する仕掛けのこと。漢字では「迫り」と書きます。セリを使うことで、意外性のある舞台転換が楽しめます。
■盆
盆とは、床が丸くくり抜かれ、その部分だけ回転する舞台装置のこと。
■花道
花道は、舞台から客席を横断するように出っ張った廊下のような部分。歌舞伎でよく使われています。宝塚の花道は、上手と下手にそれぞれある小さな通路を指します。
■オーケストラピット
生演奏の場合は、舞台と客席の間にオーケストラピットが用意されます。客席からは見えないように、舞台面からやや下がった位置にあるのが特徴。 「オケピ」と略されます。
<シーン別>よく使われる舞台用語【5】舞台の日程や時間で使われる用語

舞台の日程や時間に関する専門用語もありますよ。
■初日
初日はその名の通り、舞台の公演期間の最初の日。初日観劇が外せない……という熱心なファンは多いですよ。
■中日
中日と書いて「なかび」と読みます。公演期間の真ん中の日を指します。
■千穐楽
千穐楽は「せんしゅうらく」と呼びます。公演期間の最後の日のことですね。楽日と呼ぶこともありますよ。千穐楽は千秋楽とも書きますが、千秋楽は「火」という字が使われているため、縁起が悪いと言われてしまうことも。
■前楽
前楽は、千穐楽の一つ前の公演のこと。初日や千穐楽と並びチケットが取りずらい公演でもあります。
■マチネ
マチネは、フランス語で“午前”という意味。舞台用語では昼間の公演を指すことが多いです。特にミュージカルファンの間でよく使われていますね。
■ソワレ
ソワレは、フランス語で“日が暮れた時間”という意味。そのため、夜公演のことをソワレと呼びます。
マチネとソワレを合わせてマチソワと略すのが定番。
「今日はマチソワ観劇します」と言われたら、今日はマチネとソワレの両方の公演を観劇するよ、という意味。
■幕間
幕間と書いて、“まくあい”と呼びます。1幕と2幕の間の休憩時間のこと。
<シーン別>よく使われる舞台用語【6】客席でよく聞く言葉

客席にも舞台にまつわる用語が多数溢れています。
■ホワイエ
ホワイエは、英語で言うと“ロビー”のこと。「幕間にホワイエで待ち合わせしよう」と言われた場合、休憩時間に劇場内のロビーに行けばOK。
■全通
全通とは、その作品の全公演を観劇すること。舞台ファンは同じ公演を何度も観る人が多く、熱心なファンは全ての公演を観劇することも。
■ドセン
ドセンは、ドセンターの略。客席の真ん中辺りの席を指します。「今日はドセンだから観やすい」などと使います。
■カーテンコール
カーテンコールは、公演後に袖にはけた出演者達を拍手でもう一度舞台に呼び戻すこと。近年は、形式的にカーテンコールを行う舞台が増えています。略してカテコとも呼ばれていますよ。
■スタオベ
スタオベは、スタンディングオベーションの略。カーテンコールの時などに、立ち上がって拍手をすること。スタオベをすることで、その舞台の感動を出演者に伝えることができます。
最低限知っておきたい舞台用語をご紹介しました。今回ご紹介した舞台用語以外にも、ミュージカル用語やステージ用語、大道具用語など日常的に使われている舞台用語は多数あります。恥をかかないためにも、疑問に思った時はその場で調べて、知ったかぶりをしないようにしましょう。